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​香川漆芸若手作家による

彫りと色彩 漆の魅力展

前坂 成哲

Nariaki Maesaka

蒟醤箱「編笠百合」 縦15.2×横15.2×高13.5㎝

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木彫割香合「ミヤマクワガタ」 幅8.0×奥行5.2×高6.2cm

前坂さんへの3つの質問

質問1 漆芸の魅力はなんだと思いますか?

 漆芸の魅力は、木の樹液が塗料となって防水防腐だけでなく抗菌滅菌作用もありながら、それが精製されることによって色漆や金粉や貝を接着する工芸品に変化し、緻密な技術によって作り出された作品はまるで器物の中に小さな宇宙が存在しているかのようです。
 作っている側の漆芸の魅力は、石を集めて階段を積み上げて頂上で自分の好きな物を広げて眺める感じに似ています。
 土台となる基盤(下地)は見えませんが、見えない基礎の部分も丁寧にしないと崩れてしまう、というのも魅力の一つです。

質問2 それはどうすれば後世へ伝えていけると思いますか?

 工芸品としての価値を伝えていくには、工芸展のような公募展で作品を発表していく、ギャラリーや美術画廊などで展示していって、作品に対する思いを見に来ていただいた方に伝えていくことです。

 また、新聞やテレビやwebや役所の広報等のメディアの力を借りることも大切だと思います。
 漆芸や工芸は一般の人にとって馴染みがないのも事実ではあるので、私自身の工房で工芸と関わる場を設けたりワークショップをし、漆芸に興味をもつきっかけ作りをできたらと思っております。

質問3 あなたは誰に向かって作品を作っていますか?

 家族や特定の人に向けて作る作品もございます。
 しかし、突き詰めていくと、自分に向けてかもしれません。作品作りは自身の感動した思いや美しいと感じるものを自分自身に問いかけながら器物にとどめていくことだと感じます。その中で作品に共鳴してくれる方がいたら、とてもうれしく思います。

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蒟醤箱「編笠百合」(部分)

日本伝統工芸中国支部展岡山放送賞受賞作品。素地はヒノキの指物で布張り。下地塗りを施した後に編笠百合を点彫り、背景の市松模様を蒟醤で表現した作品。

前坂成哲(まえさか・なりあき)◎自己紹介

 身近な動植物をモチーフにして、動植物が綺麗に見える瞬間や自然の移ろい等を漆芸で表現する。大作品は主に蒟醤作品が多く、彫漆や蒔絵など表現により技法は変わることがある。

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1980年 広島県廿日市市生まれ

2002年 香川県漆芸研究所入所

2005年 香川県漆芸研究所研究生課程修了

2005年 岡山県指定重要無形文化財保持者 山口松太に師事

2006年 日本伝統漆芸展初入選 

2009年 日本伝統工芸中国支部展岡山教育委員会教育長賞

同  年 日本伝統工芸展初入選

2011年 日本伝統工芸中国支部展岡山放送賞

2015年 日本伝統工芸中国支部展岡山市長賞 等

坂本素行作 象嵌珈琲碗
​坂本素行 作 象嵌珈琲碗
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